2008年07月30日
アッシャーの館は粉々になって小湖に飲み込まれた(最終回)
じっと見ているうちに、この亀裂が急速に拡がり−−旋風が激しく吹いてきて−−月の輪全体が一気に私の眼前にあらわれて−−巨大な壁が粉々になるのが見えて、私の頭はぐらぐらつき−−数千の川の響きのような、大きな騒々しい叫ぶような音が聞こえて−−そして、私の足もとの、深い、湿っぽい小湖は、アッシャー家の館の破片を陰気に音も無く飲み込んでしまいました。続きを読む
2008年07月23日
私は恐れおののいて逃げ出しました
その部屋から、そして、その屋敷から、私は恐れおののいて逃げ出しました。私が古い土手道を走っていると気づいたときに、嵐はあたり一帯で吹き荒れていました。とつぜん、道に沿ってただならぬ光が射しました。そして、そのような不思議な光がどこから来るのかを見ようと私は振りかえりました。なぜなら、私の後には大きな家とその影だけがあったからです。その輝きは、沈みゆく、血のように赤い満月の光でした。いま、前に言った、その建物の屋根からジグザグ形に土台までのびている、以前かすかに眼についたあの亀裂を通して、その月は鮮やかに輝いていたのでした。続きを読む
2008年07月17日
彼は恐怖の犠牲者となったのです
彼女の白い衣服の上に血がついていて、そのやつれた体じゅうには激しくもがいた痕がありました。少しの間、彼女は敷居の上で身震いして前後にふらついていました。−−そして、低いうめき声をあげて部屋の中に入り、彼女は兄の上に重々しく倒れかかり、臨終の激しい苦痛の中で、彼を床の上で死体にして、彼は予想していた恐怖の犠牲者となったのです。続きを読む
2008年07月10日
かたびらを着せられたマデリン嬢の姿があった
あたかも彼の超人的な発言力の中に呪文の能力があるかのように−−彼が指差した大きく古風なパネルは、その瞬間、その重々しい漆黒の狭い入り口をゆっくりと後ろの方へと開きました。それは吹き込んでくる突風の仕業でした−−しかし、そのとき、これらのドアの外に高尚なかたびらを着せられたアッシャー家のマデリン嬢の姿があったのです。続きを読む
2008年07月03日
彼女はいまその扉の外に立っているのだ
彼女は私の軽率を非難しに急いで来るのでは? 階段の彼女の足音が私に聞えていないのか? 彼女の心臓の激しく恐ろしい動悸が分からないのか? ばかな男!」 ここで、彼ははげしく跳び上がりました。そして、あたかも魂を手放すくらいの努力をして金切り声をあげました。−−「ばかな男! 君、彼女はいまその扉の外に立っているのだ」続きを読む
2008年06月25日
おお、どこへ逃げよう?
そしていま−−今夜−−エセルレッド−−は!は!−−隠者の家の戸の破れる音、竜の断末魔のさけび、それから楯のカーンカーンという音!−−それより、こう言おう、彼女の棺をつんざく音、彼女の牢獄の鉄の蝶番のきしむ音、彼女が銅張りのアーチ道でもがいている音と! おお、どこへ逃げよう? すぐ彼女はここに来ないのでは?続きを読む
2008年06月18日
彼女を生きたまま墓のなかに入れた!
「それが聞えない?−−はい、聞えてる、聞えていたのです。長い−−長い−−長い−−何分も、何時間も、幾日も、聞えていたのです−−けれど私はあえて聞こうとしなかった−−おお、同情して下さい、私はなんと惨めな人だ!−−私は−−私は思いきって言えなかった! 私たちは彼女を生きたまま墓のなかに入れた! 私の感覚が鋭いと前に言ったでしょう? いまこそ言いますが、私は隙間のある棺のなかで彼女が最初にかすかに動くのを聞きました。それを幾日も、幾日も前に−−聞きました−−だが私は−−私はあえて言えなかった!続きを読む
2008年06月11日
真鍮の楯が銀の床の上にどしんと落ちた
これらの言葉が私の唇から漏れるや否や、−−まるで、そのとき、ほんとうに真鍮の楯が銀の床の上にどしんと落ちたように−−はっきりした、うつろな、金属性の、反響を包み込んだ騒々しい音が私に聞こえたのです。私は本当に狼狽して跳びあがりました。しかし、アッシャーの規則的に体をゆする動作はそのままでした。
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2008年06月04日
私は狼狽して跳び上がりました
これらの言葉が私の唇から漏れるや否や、−−まるで、そのとき、ほんとうに真鍮の楯が銀の床の上に激しく落ちたように−−はっきりした、うつろな、金属性の、反響を包み込んだ騒々しい音が私に聞こえたのです。私はまったく狼狽して跳びあがりました。しかし、アッシャーの規則的に体をゆする動作はそのままでした。続きを読む
2008年05月28日
戦士は魔法の楯に近づいた
「そうしていま、その竜の恐ろしい怒りをまぬがれた戦士は、真鍮の楯を思いだし、その楯に記された魔法を解こうと、進路に横たわる竜の死骸を取り除き、勇ましく、その城の銀の床を踏み、楯が掛けられている壁に近づいた。その楯は彼が完全に近づくのを待たずに、銀の床の上の彼の足元に、非常に大きい恐ろしく鳴り響く音をたてて倒れました」
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